アマゾンの荒廃した土地に、森のしくみにならった形で、
多様なフルーツや樹木を植えていく方法です。

「アグロフォレストリー」は1970年代中期につくられた造語で、アグリカルチャー(農業)とフォレストリー(林業)が合成されています。日本語では、農林複合経営、混農林業、森林農業ともいわれます。自然の森に近い状態で栽培することで、畑は多様性を取り戻し、従来の単一栽培ではできなかった持続的な生産が可能となります。農業をしながら森を再生する。まさに“森をつくる農業”です。世界では東南アジア、中南米、アフリカなどで多くの事例がありますが、中でも近年特にブラジル・トメアスのアグロフォレストリー持続可能な農業として世界から注目されています。
失われていくアマゾンの森
トメアスでは、アグロフォレストリーによりおよそ20,000haの荒廃地が再生されています。
トメアス式アグロフォレストリー
トメアスのアグロフォレストリーは、アマゾンに広がる荒廃地に1年目から収穫が得られるように多種類の農林作物を植えていきます。自然界の中で湿地帯が草原となり、やがて森林に移り変わっていく「遷移」の様子を人工的に模していると例えられることから、「遷移型アグロフォレストリー」とも呼ばれています。
現地では農場の立地や環境条件、収益のタイミング、植物同士の日照・水分・養分の競合、作業性の効率(収穫時期、栽培管理)などを考えて作物が選定され、実にさまざまな組合せで構成されています。
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荒廃地

トメアスの周辺には伐採などで荒廃地化した土地が広がっています。
アマゾンの土壌は薄く、伐採してしまうと養分が流れて作物が育ちにくくなります。
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1年目

1年目から将来にわたり収穫を得られるよう計画的に野菜やコショウ、果樹、材木の苗を植えます。
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5〜10年目~

コショウが枯れ、果樹が実をつけます。この時期が最も作物の種類が多く、また最も二酸化炭素の吸収量が多い時期とされています。
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20年目〜

高木と低木が共存する森のようなアグロフォレストリーが完成し、光のコントロールをしながら低木果樹の生産性を維持していきます。
多様な食糧・資源の供給

トメアスのアグロフォレストリーでは、フルッタフルッタのアマゾンフルーツをはじめ、コショウなどの香辛料や、ゴム、マホガニーなどの資源を生産しています。
荒廃した土地に多種多様な植物を栽培することで自然の多様性を回復させ、持続的な農業を可能にします。
環境・社会・経済へ貢献

フルッタフルッタでは、アグロフォレストリーの『多様性』を生かしたマーケティング活動を行っています。経済活動を発展させるにつれアグロフォレストリーに利益を還元し『森』の再生を促進していきます。
このように経済と環境を両立するビジネスモデルはグリーンエコノミーと呼ばれており、アグロフォレストリーは数少ない実践例として注目されています。人間の手で壊した自然環境は、人間の手できちんと修復する。これもフルッタフルッタの大切なテーマの一つであり、アグロフォレストリーは、「ヒトに健康」と「地球環境」にプラスとなる、エシカルな農法なのです。